アンチ・ドーピングとサプリメント
サプリメントが原因と言われるアンチ・ドーピングのルール違反が、日本を含め、世界中で報告されています。
サプリメントについて、アンチ・ドーピングの2つの観点から考えてみましょう。
まず、アンチ・ドーピングの理念の観点です。
毎日の食事、適切な休養を通して、アスリートとしての強いからだづくりが、真なる勝利につながります。
サプリメントは、日常の不適切な食事やバランスを欠く食事での栄養を補うために使用されるべきではありません。
世界アンチ・ドーピング機構や国際オリンピック委員会も、アスリートの体づくりやコンディショニングにおいて、必要な栄養はバランスの良い食事から摂取することを推奨しています。
"Food First"(食事第一)で栄養素を摂取しましょう。
サプリメントを使用する前に、「どのような目的でそれらを使用するのか?」、「その目的に対してサプリメントの使用はベストな方法なのか?」をアスリート自身が考える必要があります。
次に、具体的なルール違反のリスクについてです。
サプリメントは、医薬品とは異なり、法律上では「食品」に分類されます。
「食品」には、商品の成分表に全ての原材料を記載する義務がありません。
つまり、ラベルやパッケージに表示されていない物質が、その製品に含まれている可能性があります。
もし、表示されていない物質が原因で、アンチ・ドーピングのルール違反になった場合でも、アスリートはその責任を自身でとらなくてはなりません。
表示されていない、確認できない物質が入っている可能性があるというリスクを十分に理解したうえで、本当にそのサプリメントが必要なのかどうかを、アスリート自身が判断することが求められます。