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ハッカー集団 Fancy Bears による日本人競技者の個人情報流出について

重要な案内

世界アンチ・ドーピング機構(WADA)が管理運営を行うアンチ・ドーピング管理システム(ADAMS)に対するハッカー集団Fancy Bear のハッキングにより、日本人競技者のTherapeutic Use Exemption:TUE(治療使用特例)情報が流出したことを確認しました。

流出した情報には、競技者が正式な手続きに基づき取得した治療目的のための薬剤使用(TUE)に関する情報が含まれています。TUEは、世界アンチ・ドーピング規程が定める国際基準に則って運用されるもので、競技者がその身体状況により正当な医療手続きを受けることを認める対応です。今回の情報流出の対象となったTUEも同国際基準に基づき付与された正当なものであり、アンチ・ドーピング規則違反には該当しません。

なお、TUEの付与にあたっては、以下の4つの要件を満たす必要があります。

  1. 治療をするうえで、薬品を使用しないと健康に重大な影響を及ぼすことが予想される。
  2. 他に代替えされる合理的な治療方法がない
  3. 薬品を使用しても、健康を取り戻す以上に競技力を向上させる効果を生まない
  4. ドーピングの副作用に対する治療ではない

《参考:TUEに関する詳細な情報 http://www.realchampion.jp/process/tue

ハッカー集団のFancy Bearによる情報流出は、正当な手続きを経て付与された治療目的の特例措置に対して、誤った解釈による混乱が生じることを狙った悪質なものであり、当機構はこれら一連の対応について強く非難します。

なお、本件事案については、被害に遭った競技者、及び所属競技団体に対して状況の説明をおこなうとともに、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)との状況共有をおこなうなどの対策を講じています。