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糖質コルチコイドの痔疾患治療の外用薬使用に関する注意喚起

重要な案内

禁止表国際基準「S9. 糖質コルチコイド」の痔疾患治療の外用薬使用に関する解釈について世界アンチ・ドーピング機構(WADA)と協議した結果、これまでの解釈が変更されることとなりましたのでご連絡申し上げます。本件内容につきまして、競技者、指導者等への周知対応を頂きますようお願い申し上げます。

【1】経緯

2010年禁止表国際基準の「S9.糖質コルチコイド」には「・・・肛門周囲の疾患に対する局所使用は禁止されず、・・・」と記載されていました。それにより、糖質コルチコイドを含有する痔疾患治療の外用薬(軟膏、注入軟膏、および坐剤)は禁止されないと解釈してきました。2011年禁止表国際基準からは禁止される使用経路のみが記載されることとなり、前述の記載は削除されましたが、2011年禁止表の注釈において「糖質コルチコイドの禁止される使用経路に関しては、2010年禁止表のままです。」と説明されたために、糖質コルチコイドを含有する痔疾患治療の外用薬(軟膏、注入軟膏、および坐剤)は禁止されないとの解釈は変更しませんでした。
このたび、JADAも参加している薬の検索システム「Global DRO」において、糖質コルチコイドを含有する痔疾患治療の外用薬のうち注入軟膏および坐剤の解釈についてJADAと他国との間に齟齬があることが判明しました。WADAの見解を問い合わせたところ、糖質コルチコイドを含有する痔疾患治療の外用薬のうち注入軟膏および坐剤については「経直腸使用」として禁止方法に該当するとの回答を得ましたので、お知らせいたします。

【2】注意点

  • 糖質コルチコイドを含有する痔疾患治療の外用薬のうち注入軟膏および坐剤については「経直腸使用」として競技会(時)において禁止されます。
  • 糖質コルチコイドを含有する痔疾患治療の外用薬のうち注入軟膏および坐剤を競技会(時)に治療目的で使用する場合は、治療使用特例(TUE)が必要です。
  • TUE申請書は医師の診断や所見の記入が必要ですので、医師の診断なく市中の薬局や薬店で購入した製品(OTC薬)はTUE申請ができません。
  • 購入使用前に必ずスポーツドクターやスポーツファーマシスト等の専門家へご確認ください。
  • 肛門に塗布する糖質コルチコイドを含有する痔疾患治療の軟膏については、従来どおり禁止されませんのでTUEは不要です。

以上