TUE取得の条件

TUEとは

治療使用特例(Therapeutic Use Exemptions : TUE)は、『禁止物質・方法』を治療目的で使用したいアスリートが申請して、認められれば、特例としてその『禁止物質・方法』が使用できる手続きです。
TUEが認められなかった場合に、その『禁止物質・方法』の使用を続けることは、アンチ・ドーピング規則違反となります。
TUEは、世界アンチ・ドーピングプログラムの中の世界アンチ・ドーピング規程(World Anti-Doping Code : Code)とそのTUE国際基準(ISTUE)で手続きが定められています。

TUEを取得するための条件

申請された書類によって、次の4条件が満たされたことを証明したときにのみTUEを付与されます。

・適切な臨床的証拠に基づく診断であること
・当該疾患に対する適応治療であり、禁止物質以外の物質に代えられる治療方法がない
・健康を取り戻す以上に競技力を向上させない
・ドーピングの副作用に対する治療ではない

遡及的TUEを取得するための条件

すでに使用した禁止物質・禁止方法のTUEを取得するためには、以下の条件のいずれか1つに該当すれば、遡及的TUE申請として遡ってTUEを申請することができます。

緊急治療や救急症状の治療で禁止物質や禁止方法を使用した時
国際レベルアスリートまたは国内レベルアスリート以外のアスリートが治療を目的に禁止物質または禁止方法を使用した時
アスリートが治療目的のために、競技会(時)においてのみ禁止された禁止物質を、競技会外で使用した時
ドーピング検査を受ける前にTUE申請を提出する、またはその審査を受けることの妨げとなる、時間や機会の不足、または他の例外的な事情があった時
国の政策上の要請や重要課題によって、JADAが検査配分計画において特定の競技を優先させるために、他の競技のアスリートからのTUE事前申請に関する検討を差し控える時

※現在⑤に当てはまる方針はJADAにはありません。

注意:アスリートがアンチ・ドーピング規則を準拠しなければならない状況になる以前より、医学的状態を有し、禁止物質・禁止方法を使用した治療を行っている場合がある。その場合は、以前の禁止物質・禁止方法の仕様に対するTUEは必要とせず、将来のTUEがあればよいので『通常のTUE申請』として申請してください。