



私は現役時代、ドーピングの恐ろしさを間近に見てきました。
その当時のスピードスケート・自転車競技だけでも、目に見えてわかる程のドーピングが周りで行われていたと感じています。
特に旧社会主義圏に多かったように思います。そして、必ずといっていい程ドーピングをした選手は後に健康を害し、
数年後にはとてもその年齢には見えないくらい老けてしまいました。もちろん、当時からドーピングコントロールは実施されていましたが、
選手を含め組織全体の認識がまだまだ低かったように思われます。
現在日本では、トップアスリートだけでなく、将来のトップアスリート予備軍にも、ドーピングに対してしっかりとした認識と自覚を持ってもらうために、
国体でもドーピングコントロールを実施しています。その中で現状ある“うっかりドーピング”を根絶させる必要があります。
しかし、禁止物質は数千とあり、その数も年々増えるため、選手が頼りにできるのは薬剤師しかいません。また、TUE申請についても、
あまり選手に煩わさせたくないのが元選手としての気持ちです。選手にはきちんと理解する義務がありますが、
できるだけこのような事に神経を使わさせないで、安心して相談でき、そして適切な指導ができるのも薬剤師です。
スポーツ界と薬剤師が連携強化を図り、一緒に選手の人材育成・人材強化をしていく事が、これからのメダル獲得、スポーツ振興には欠かせません。
また、スポーツにおける現状は厳しいですが、スポーツによって青少年は夢や希望を抱き、そして経済効果も現れています。
スポーツを通じて、今求められる社会性・社会貢献の意識が高い人材・人格を育成していく、その方法の一つがドーピング防止だと思います。