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ストーリーで考えよう! アスリートの「責務」と「権利」
大事な試合を翌日に控えたある日。体調が優れなかったAくんは、ドラッグストアでカップ麺やサプリメントなどと一緒に風邪薬を購入しました。夕食後、その風邪薬を服用して、その日は早めに寝ました。
翌朝、Aくんは元気に試合に出場しました。試合が終わり、ロッカールームに戻る途中で、DCOから自分が検査対象に選ばれたと通告を受けました。〈昨日の風邪薬、大丈夫かな?〉ふとそう思い不安になったAくんは、DCOを振り切り、走って家に帰ってしまいました。 質問1へ
それから数日後、Aくんの行動がアンチ・ドーピング規則違反になる可能性があるとして、暫定的資格停止の通知を受け取りました。Aくんは〈まずいことになった…!〉と思いました。実際にAくんの行動がアンチ・ドーピング規則違反であったかどうかは、この後開かれる規律パネルによる聴聞会で決定されることになります。 質問2へ
聴聞会の結果、Aくんはアンチ・ドーピング規則違反で制裁を受けることになりました。チームの仲間や監督・コーチも悲しんでいます。Aくんも〈自分の不注意で、多くの人に迷惑をかけてしまった…〉と軽率な行為を反省すると同時に、こんなことを考えました。
〈今回は明らかに自分が悪かった。だけど、もしも正当な理由があって規律パネルの決定に納得できない場合はどうすればよいのだろう? トレーニングも大切だけど、自分や仲間を護るために、もっともっとアンチ・ドーピングのルールについて勉強しよう!〉 質問3へ
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質問1
Aくんは、アスリートとしていくつか間違った行動を取っています。それは一体どんな行動でしょうか? 文中から探してみよう。
答え 風邪薬の成分を確認せずに服用したこと。検査に対応しなかったこと。サプリメントに頼った食生活。
質問2
聴聞会でAくんは、正直に事実を話しました。彼はなぜそのような対応をしたのでしょうか。アスリートの行動として、その対応をとった理由を選んでみよう。
選択肢A 正直に話すことで、アンチ・ドーピング活動の助けになると思ったから
選択肢B 早く終わらせて、早く友だちと遊びたいから
選択肢C 隠そうとしても、警察には隠しきれないと思ったから
答えA アンチ・ドーピング活動の助けになる行動はアスリートとして重要! 聴聞会に警察は参加しない。
質問3
もし、あなたが聴聞会に呼ばれて、そこで身に覚えのないことを理由にアンチ・ドーピング規則違反の決定を受けた場合、あなたはアスリートとしてどのような行動をとりますか?
選択肢A 明らかに間違った判断なので制裁には従わない
選択肢B もう一度聴聞会を開いてもらう
選択肢C 所定の機関で手続きを行い、規律パネルの決定について不服申し立てをする場を設ける
答えC 規律パネルの決定に異論がある場合は、不服申し立てを行うことができる。不服申し立てをしない場合は、規律パネルの決定が最終決定となる。