世界19か国の国内アンチ・ドーピング機関(NADO)の幹部が、ドイツのボンにおいて第5回目となるNADOサミットを開催し、平昌冬季五輪大会が公正な競技環境のもので開催されクリーンなアスリートの権利が守られる大会となるための提言をおこないました。提言の主な論点及び要約は以下の通りです。

  • Olympic Athlete from Russia (OAR)に対して、クリーンであるとの推定が喪失していることは国際オリンピック委員会(IOC)も認めているところである。IOCは、明瞭かつ公正な基準を設定し、透明性が確保されたプロセスによりOARへの参加を認めることが求められている。
  • クリーンなアスリートを守ることはオリンピック憲章にも規定されているところであり、これを達成するためには、OARに対する審査基準は他のアスリートに対するものよりも高く設定されるべきである。
  • 平昌冬季大会の開会まで3週間を切ったこの時点においても、OARの審査に係る基準は提示されていない。各国NADOの幹部は、OARの審査にあたるOAR Invitation review panelが現在の状況を踏まえた厳格な基準に基づき判断を下すことを期待している。
  • 審査の内容及びその結果にかかわらず、審査基準が公開されていないことは、クリーンなアスリートの権利を損なうものである。
  • 各国NADOの幹部は、昨年12月に世界アンチ・ドーピング機構(WADA)に対して、OARに関する審査基準の提案をおこなっており、これら基準はOAR Invitation review panelに伝達されている。
  • 厳格な審査基準、及び審査に通ったアスリートのドーピング検査履歴は公開されるべきである。
  • 審査基準を公表することは、クリーンなアスリートの権利に応えるのみならず、ロシアの組織的なドーピング問題によりダメージを受けたスポーツの高潔性(integrity)の回復にも有益である。
  • IOCによるロシアオリンピック委員会(ROC)の資格回復にあたっては、WADAが設定するRoadmapが完全な形で履行されていることを条件とすることを強く要求する。(Roadmapに定める要件のうち、マクラーレンレポートの内容を公式に認めること、モスクワのWADA認定分析機関に保管されている検体・分析データへのアクセスを認めることが未解決)
  • 内部通報者の安全確保は喫緊の課題であり、IOCがこれを重要視するとともにROCの資格回復においても内部通報者の安全確保を条件とすることを要求する。
  • 国際パラリンピック委員会(IPC)及び国際陸上競技連盟(IAAF)により実践されている諸対応は、現状の課題に対して有効なものであり、IOCにとって参考となるものである。

本提言は、以下の世界各国のアンチ・ドーピング機関の幹部によって策定されました。 オーストラリア、オーストリア、カナダ、デンマーク、エストニア、ドイツ、日本、アイルランド、フィンランド、フランス、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、イギリス、アメリカ、シンガポール、スロベニア、スウェーデン、スイス。

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■メディアリリース原本(英文)にリンクされている文書(WADAへの審査基準提案)はこちら